バーコードの印刷は商品を販売する上では欠かせない手続きとも言えますが、その印刷方法には複数の種類があり、状況に応じて使い分けることが重要です。正しいバーコード印刷の手段を選べる知識を身につけておけば、スムーズに生産を進めることができるでしょう。
この記事では、そんなバーコード印刷の種類や仕組み、印刷時のポイントについて、解説します。
バーコード印刷の種類TOP
バーコード印刷の種類には大きく分けて、
- レーザプリンタ
- レーザマーカー
- サーマルプリンタ
- インクジェットプリンタ
という4つの種類が存在します。どの種類の印刷方法を選ぶかによって、印刷のクオリティや印刷スピードは変わってくるため、理解を深めておくことが大切です。
ここではそれぞれの印刷方法にどのような違いがあるのか確認しておきましょう。
レーザープリンタ
レーザプリンタは、レーザ光線を使って対象に画像を形成し、そこにトナーを付着させることでプリントを行う印刷方式です。
ページプリンタとも呼ばれるこの方法は、他の印刷方法に比べて高速での印刷が可能な点が特徴とされており、同時に品質も確保しやすいことから、近年のコンピュータ用のプリント方法としては広く普及しています。
ただ、レーザプリンタはプリントアウトまでの経路が複雑化しており、印刷ラインがどうしても長くなってしまうことが欠点でもあります。少数のプリントアウトでは非効率であるため、大量に印刷する用事がある場合に適した印刷方法と言えるでしょう。
レーザーマーカー
レーザーマーカーは、対象物に対して直接インクを吹き付けるタイプの印刷方法です。高品質な印刷が可能でありながら、メンテナンスのコストやランニングコストがほぼかからないことから、レーザプリンタ同様重宝されている印刷方法と言えます。
主に食品の賞味期限の印字や、電子部品などのロット番号記載に使用されているプリント手法で、搬送中のものであっても印字できるのが強みです。
サーマルプリンタ
サーマルプリンタは、バーコードの印刷において最も普及している印刷方法の一つです。その名の通り熱を使って紙などに印字を行う方法で、そのアプローチは「熱転写プリンタ」と「ダイレクトサーマルプリンタ」の2種類に分かれます。
熱転写プリンタ
熱転写プリンタは、サーマルヘッドと呼ばれる熱を持った部分でインクリボンのインクを溶かし、対象物に印刷を行う手法です。高品質な印刷が可能な手法として知られており、用途に応じて印刷する紙素材についても柔軟に変更できます。
また、印刷にかかる時間が短く、印刷数も柔軟に調整しやすいことから、細かな生産管理を行いたい場合にも役立つ印刷手法です。運用に当たってはインクリボンの調達コストがかかるものの、品質や生産性の面が高く評価されています。
ダイレクトサーマルプリンタ
ダイレクトサーマルプリンタは、熱に反応して色が出る感熱紙(サーマル紙)と呼ばれる用紙を使い、サーマルヘッドによる加熱で印刷を行う手法です。他の印刷手法に比べて使用するプリンタのサイズは小さく、インクリボンを使用しないのでランニングコストも小さいというメリットを備えていることから、こちらも人気の印刷方法と言えます。
ただ、使用する感熱紙は熱や湿度に弱く、変色もしやすいというデリケートな素材であるため、印刷現場を高度に管理できる仕組みを整えたり、使用は短時間に限定したりといった条件をクリアしなければなりません。
インクジェットプリンター
インクジェットプリンターは、液体のインクを使用し、対象物にインクを吹き付けて印刷する方式です。家庭用プリンタなどに広く採用されている印刷方式であり、プリントアウトといえばこれを想像する人も多いのではないでしょうか。
インクジェットプリンターにもいくつかの種類があり、代表的なものが以下の3つです。
サーマル式
サーマル式は、プリンターのヘッド部分でインクを加熱し、管内インクを気泡化させ吹き付けて印刷するという方法です。印刷の品質と速度に優れる方法ではあるものの、インクが熱で劣化しやすいことや、ヘッドの寿命が短いことなどが欠点とされています。
ピエゾ式
ピエゾ式は、圧電素子(ピエゾ素子)を用いて印刷を行うプリント方式です。電圧を細かく調整しながらインクを吹き付けるので、バーコードリーダーの読み取りにも対応できるような高い精度での印刷が行えます。
ただ、ノズルごとにピエゾ素子を用意する必要があるなど構造が複雑なため、運用コストがやや高くなってしまう欠点があります。
バルブ式
バルブ式は、液体に圧力をかけノズルから噴出するという印刷方式です。ノズルと印刷対象物がある程度離れていても印刷が行えるというメリットがある反面、印刷品質はピエゾ式などに比べるとやや劣ってしまいます。
バーコード印刷の仕組みと技術TOP
バーコード印刷は、通常の印刷物とは異なりバーコードリーダーで読み込み(読み取り)を行えるような印刷品質が求められます。バーコード印刷に適した印刷方法や印刷条件を整えておかないと、バーコードが正しく機能しないこともあるでしょう。
ここでは、バーコード印刷がどのように行われているのか、そしてバーコード印刷にはどのような条件をクリアしておく必要があるのか、解説します。
バーコード印刷のしくみ
バーコード印刷は、バーコードスキャナによってバーコードを読み取れるような品質を確保することが重要です。バーコードスキャナは読み込みの際、バーコードに対して赤色光線を投射し、そこから反射する光線を読み込むことで、バーコードの情報をインプットしています。
そのため、バーコードを印刷する際には赤色光線を吸収できる色、すなわち黒色や青色、あるいは緑色といったカラーリングである必要があります。多くのバーコードが黒色を採用しているのには、このような理由があるわけです。
また、バーコードの背景部分についても白色や赤色、黄色などの赤色を反射できる色に統一する必要があります。バーコードが印刷されている部分だけ不自然に白くくり抜かれているのは、バーコードを読み込みやすくするためです。
クワイエットゾーンが必要
もう一つバーコード印刷において知っておくべきなのが、クワイエットゾーン(マージン)の存在です。これはバーコードの左右に設けられている余白で、バーコードを読み取る際の基準となる重要な役割を果たします。
そのため、クワイエットゾーンの部分にはテキストやイラストなどを差し込むことはできず、例え不自然でも空白にしておかなければなりません。
バーコード印刷の種類と特長TOP
バーコードにもいくつかの種類があり、それぞれで異なる役割を果たします。例えば日本で最も普及しているJANコードは、商品の識別や在庫管理においては欠かせない存在です。
ぱっと見のデザインは同じでも、厳密には違う規格で印刷されているバーコードもあります。例えばUPCコードはアメリカやカナダで使用されているバーコードの一種で、JANコードなどを基準に作られているものの、2つの幅のバーとスペースを使用し、読み込みの条件が異なります。
また、最近では2次元バーコード(2次元コード)であるQRコードも急速に普及しており、従来のバーコードよりも多くの情報を内包できることから、商品管理だけでなくURLの共有など、多様な目的で使用されているのが特徴です。
バーコード印刷の種類とそれぞれの特徴を把握し、目的に応じて使い分けられると良いでしょう。
バーコード印刷の種類とそれぞれの特長についてはこちらのページをご覧ください。
当社のバーコード印刷サービスの強みTOP
バーコード印刷は極めて正確な印刷技術が求められているため、一般的なインクジェットプリンターなどでは対応ができないケースも多く、質の高い印刷機や印刷ラインを確保する必要があります。また、バーコードそのものの印刷技術だけではなく、印刷対象物の条件についても制約があり、正しくクワイエットゾーンが確保できていない、背景色が適切でないなどの問題にも対処する必要があるでしょう。
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バーコード印刷は小松総合印刷へTOP
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